アストラル界での体験
 以下に述べる夢は、先程の機械的な夢(メンタル・イメージの再生)とは違い、アストラル界での実際の体験です。したがって、これらの夢はカラーで見ます。


無意識的な夢
 これは、アストラル界で実際に体験していながら、意識のない(夢であることに気付かない)状態での夢です。意識がないために自分の行動のコントロールができません。ですから欲望の赴くままに行動してしまいます。

昼間満たされなかった欲望を夢の中で満たす
 たとえば、子供が公園に連れて行かれて、アイスクリームが欲しかったけれども、お母さんに買ってもらえなかったとします。そうすると、その子供はどうしてもアイスクリームが欲しかったのですが、買ってもらえなかったので、夜、肉体の外に出てアイスクリームを食べに行きます。
 しかし、大人の場合はどうでしょうか。たとえば、昼間本屋さんでポルノ雑誌を見たとします。そうすると夜はエロチックな夢を見ます。性的な興奮はメンタルなものですから、当然起こります。このとき、エロチックな夢に出てくる人物は、自分が作り出したメンタル・イメージであったり、悪霊であったり、あるいは本当にその人物のアストラル体であったりします。そして往々にして性エネルギーを消耗することにつながります。



予知的な夢
 これは夢の中で未来を見る夢です。アストラル界では時間に拘束されませんから過去や未来の出来事を見ることができます。
 予知的な夢を見ていながら忘れてしまい、後で実際に体験したときに、「あっ、この場所は前に来たことがある」とか、「夢で見たことがある」と気付くことがあります。これが、デジャ・ヴュ(既視感)といわれるものです。(デジャ・ヴュというとき、夢だけでなく前世での体験であることもあります。)
 上のような例では害はないでしょうけれども、たとえば、事故を起こし、手術で足を切断しなければならないという夢を見ていながら忘れてしまい、後に実際に事故を起こして手術を受けなければならなくなったとき、手術台の上で「あっ、この場面は夢で見たことがあったのに!」と気付いても遅いのです。もしも夢を覚えていたならば、事故を避けることができたかもしれません。ですから、もっと夢に注意を払いましょう。いったいどれほどの人が、夢の中で大変重要な体験をしていながら、それを忘れてしまっているでしょうか。



魂と霊の交信
 これは魂からのメッセージの夢です。夢の間は物質である肉体の妨害がないので、魂と霊の交信がさらに容易になります。たとえば、あなたが自分でも気付かずに病気だったとします。そうするとあなたの魂は回復をするように、治療をするように伝えたいと願います。しかし、全く知らない人の形であなたの夢の中に現れて、「私はあなたの魂です」といっても、認めることはしないでしょう。ですから、魂はあなたが最も信頼している人、たとえば母親とか、奥さんとかあるいは主治医かも知れませんけれども、その人の形で現れて、あなたに健康状態の忠告を与えます。
 皆さんの中にも夢で何らかの忠告を受け、実際に調べてみると夢で指摘された通りだったという経験をされた方もあるでしょう。



意識的な夢(明晰夢)
 これは夢を見ていながら「自分は今、夢の中にいる」という意識がある状態での夢です。こういう夢は大変重要です。なぜなら、意識が目覚めている状態だからです。この場合は、自分の行動をコントロールすることができます。コントロールできる度合いは意識の覚醒度によります。
 さて、この意識的な夢で注意していただきたいのは、「夢の中だから何をやってもいいんだ」と自分の低俗な欲望にしたがって行動するのは良くないということです。無意識的な状態ならまだしも、意識がある状態でそのような行動をすることは精神的にさらに堕落することを意味します。
 夢の中で意識が目覚めたら、このチャンスを活かして次に述べる方法でアストラル界にいることを確認し、アストラル・トリップ(意識を持ってアストラル界を旅すること)へと導きましょう。

アストラル界にいることを確認する方法
 夢の中にいることに気付いたときには、試しに夢に出ている人々や自分の足もとを見てみて下さい。夢の中だとみんなの足が浮いています。これはアストラル界では引力の法則に拘束されないからです。おもしろいことに、夢の中ではみんな浮いていながら、そのことに気付いていません。ですから、三次元世界と同じように足で歩いています。しかし本当は、夢の中では歩く必要はないのです。ただそこへ行きたいと思えば、一瞬で行くことができるのです。
 アストラル界では飛びたいと思えば空中高く飛べますし、海中深くにも自由に潜っていくことができます。これは三次元世界よりも拘束される法則が少なくなっているからです。ですから食べる必要もないですし、トイレに行く必要もありません。

夢からアストラル・トリップを行う方法
 さて、夢の中にいることに気が付いたら、この夢をアストラル・トリップへと移行させることができます。それは、夢の中で高くジャンプすることです。すると、空中に浮く軽い感覚と想像を絶するスピード感を感じ、何ともいえないすばらしい解放感を味わうこともあります。そして、夢だと自覚した瞬間、夢のイメージは消え失せ、周りは黒くなります。
 ここからは、自分の行きたいところに行ったり、調査研究や探検といった有意義な体験をすることができます。なお、意識の覚醒度によって行くことのできる世界は制限されます。



アストラル・トリップ
 これは、意識を持ってアストラル界で行動する、旅をするというものです。上に述べてきた夢も一種のアストラル・トリップといえますが、ここで述べるアストラル・トリップとはアストラル体でいるという意識のある状態での、アストラル界での真の体験という意味で使います。そしてそれを意図的に導くことをアストラル・プロジェクションとか幽体離脱などといいますが、その方法についてはアストラル・トリップの方法で述べます。
 皆さんの中にも、眠りについたはずなのに、気付いたらベッドに自分の肉体が寝ているのを見たとか、天井のあたりを漂っていたとかいう経験をされた方は多いでしょう。しかしながら、アストラル体やアストラル界についての知識がない場合、これは幻覚であるとか、あるいは自分は精神異常か病気ではないかという恐怖や不安を感じる方もいます。他人にも話せず、一人で悩んでいる方もいます。でも心配はいりません。眠りの間、肉体から意識(アストラル体)が離れるのは全くノーマルなことで、誰でも毎晩行っているのです。ただ多くの人は気付いていないだけなのです。ですから、むしろアストラル界で意識を持てたというチャンスを活かすべきです。
 アストラル界では時間や空間に左右されませんから、行きたいと思うだけで世界中のどこへでも行けますし、壁やドアも通り抜けることができます。また、準備ができていれば、時を越えて過去に行って世界の歴史を見たり、自分の前世を見たり、逆に近未来に行ったりすることもできます。宇宙空間に出て地球を眺めたり、他の天体に行くこともできます。さらには高次の世界(天国)や低次の世界(地獄)に行くこともできます。
 このようにして多くの世界を訪れ、そして多くを学ぶことができます。そうすると昼間は三次元世界で習得し、夜はアストラル界で学ぶという新しい人生が始まります。そして多くの問題や疑問を解決していくことで、大変密度の濃い人生を送ることができます。


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