アステカ文明で教えられてきた高次と低次の世界
テオティワカン
テオティワカン
死の神ミクトランテクウトリ 死の女神ミクテカシウァトル
死の神ミクトランテクウトリと
死の女神ミクテカシウァトル
トラロカン
トラロカン
 アステカの神話に次のように語られています。
 まだこの世に光がなかったころ、神々は新しい太陽「第5の太陽」(現在の人類)を創造するために、かの地、テオティワカンに集合しました。それにはまず、新しい人類に光を与えなければなりません。そこで二人の神が、燃え盛る火の中に身を投じた結果、一人の神が太陽になり、もう一方の神が月となりました。
 こうして昼と夜が生まれ、地上の生命の営みが始まることになりました。次には新しい人類をつくり、命を与えなければなりません。そのためにはミクトラン(死者の国)に降りて、死の神であるミクトランテクウトリと死の女神であるミクテカシウァトルに昔の巨人の骨をもらってくる必要がありました。その役目を負ったケツァルコアトル(羽毛の蛇)は、ようやく巨人の骨を死の神々からもらい、その骨に血を注いで人類をつくりだしました。
 こうして、テオティワカンの地に新しい人類が生まれ、人間たちは神々を崇拝するために神殿を建造し、宇宙の歴史や、生と死の神秘を壁画に描き記しました。
 古代アステカの人々は、トラロカン(楽園)には13の階段があり、13人の光の神によって治められている、と考えました。そしてこれらすべての段階に、地上より高次の生命があり、死後、進化が続く世界、神々の宿(やど)と生命の起源がある、と考えました。
 反対に、地中の奥深くには、地獄の9段階を治める闇の神がおり、この地獄では、良心に背くすべての行いをした人々は火によって浄化され、もう一度、地上に生まれ変わることができるように汚れを落とさなければならない、と考えました。

 このようにアステカの神話にあるこの世の創造がなされ、地上から上に13の空があり、それぞれの空を司る光の主達が13人、そして地下の世界、冥界を司る9人の主が確立されます。すなわち、私たちのいる所、ここが進化と退化の軸になるのです。

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