エゴ根絶のプロセス
 このエゴ根絶に導くプロセスは、(1)エゴ観察(2)理解(3)裁く(4)根絶 です。
 ですから私たちの中にこれほどパワフルな力の強いエネルギーが宿っているということに注目して下さい。エゴは隠れます。目には見えません。そして自分の出番が来るまで忍耐強く待つということをします。私たち自身よりももっと忍耐強いです。ということは、エゴは時間に拘束されていませんから、決して急いではしません。私たちがそのチャンスを与えるまで辛抱強く待っています。ですから、肉体が死のうが死なないだろうがそんなことには興味はいだいてはいません。ということは肉体が死んでも私たちのサイキスはまだ残るからです。この心理の汚れが肉体の死後、閻魔の審判によって地獄で洗浄されるものだからです。ということは、私たちが生きている間に自発的に洗浄しなかった汚れは、この自然界の中で他から洗浄されなければならないからです。しかしそれは大変な痛みを伴うものです。

(1)エゴ観察
 そうするとまず最初にエゴと対抗するには、発見するということが必要です。もし戦場に行ったならば四六時中、常に警戒してどこから敵が出てくるか警戒しなければなりません。すなわち、敵がどこにいるかを知らなければ攻撃も始められません。そうするとマインドの中に住んでいるということをもう習いました。そしてパーソナリティーを通して表現します。ですからそのように警戒をしていれば、顔を出したときにキャッチすることができます。

(2)理解
 そしてそれぞれのエゴを分析し、研究しなければなりません。たとえばテープレコーダーを作ろうとしたときにも、それをどのように作るかを習わなければなりません。このように一つ一つのエゴを完全に分析し、研究しなければなりません。この段階で瞑想(メディテーション)が大変重要なわけです。ですから、夜眠る前に今日一日の自分の行動について瞑想します。そうすると自分はあのときはちょっと制限を越えて怒ったということに気づきます。すなわち、ここで今日の自分の行動をもう一度フィルムを戻して映像を見ます。そうするとそこで怒りを発見したときに、どうしてそこで怒りを感じたのだろうと、自分に問いかけます。そうすると自分の頭を「ばか!」と叩きます。しかしそこでどうしてそのように感じたのかという原因を探します。そうして結局、自分の中にまだ発見していない欲求不満があるということに気づきます。
 このようにすべての状況を分析します。そしてこの欲求不満が何であるかを発見するに至ります。すなわち、そこにつながるエゴが何であるかを発見します。すなわち、そこで理解する段階に入りました。しかしこれは絶え間ない自己観察を伴っています。そして同じ間違いをしないように自分自身を警戒して観察しています。そうすると、私が周りで警戒していますから、エゴはそれ以上強くはなりません。ですから戦時中の戦士のように常に警戒しなければなりません。そうするともう一度怒ったりはしません。もしそうしなければ、その怒りはさらに強くなるでしょう。そして次に続くのは暴力の段階です。いくつの宗派やグループのリーダーたちが、そこのメンバーたちを叩いたりしたことでしょうか。エゴが頽廃の段階に入る前にどうしてストップしなければならないかを見て下さい。
 しかし、一つのエゴを根絶する前に完全に理解するということは必要なことです。この理解がなければ、決してそれは可能ではありません。たとえば一人の病人のその病気の原因が何であるかを理解しないうちは完全な治療はありません。ですから、その原因が何であるかも知らずにどうして病気の治療ができるでしょうか。できません。しかし、患者のその病気が正確に何であるかを知るときにもう治療は50%もできたのと同じです。すなわち、一つのエゴを完全に理解するという段階に至ったとき、この問題は50%、もう解決されたも同じです。そのためにこそ瞑想をするのです。そのために反省するのです。

(3)裁く
 そうすると、このエゴが魂の解放のためにどれだけの害を与えているかということを見た上で裁きます。たとえば、あなたがあなたの妻に対して嫉妬を感じているとします。そうすると嫉妬を理解しなければなりません。嫉妬とは何でしょうか。どうしてこの嫉妬を感じるのでしょうか。あなたの妻はあなたに属する存在なのでしょうか。とんでもない。あなたには属していません。あなたの妻はあなたの所有物ではないのです。一組の男女はお互いの精神的進化のための手段である結びつきです。何人の夫たちが結婚することによって妻を買い取ったと信じているでしょうか。それは所有欲です。またコンプレックスの劣等感のために所有したいと望みます。ですから、何かを自分のものだと所有したいと思うときに、それは劣等感の現れでもあります。ということは、自分が何らかの価値を持っていると信じたいがために所有したいと望みます。
 そうすると、あなたは自分自身さえも所有していないのに、どうして他人である妻を所有しているなどと言えるのでしょうか。その上、ある日、私たちも死に至るでしょう。そうしたなら、人は何の役に立ったのでしょうか。このように嫉妬心が強い人の奥さんが死んだときに何が出来るでしょうか。もう火葬されて跡形もありません。そうするともう嫉妬の対象もありません。ですから、存在するのは嫉妬のエゴです。そして私たち自身が嫉妬のエゴに力を与えてしまっています。このようにそれぞれのエゴを大変深い位置から観察して理解しなければなりません。
 どうして虚栄心を感じるのでしょう。虚栄心は大変ひどいものです。もし世界中の人々が虚栄心をすべて根絶したならば、世界中の問題の80%は解決するだろうと思います。たとえば有名大学に入学したいと思います。また親も子供にそれを望みます。虚栄心によるものです。また毛皮を身につけるために何匹の動物たちを殺すでしょうか。これも虚栄心によるものです。このように虚栄心は社会の中のすべての行動と何らかの関連をもってきます。
 このように他のそれぞれのエゴもそれなりの道を持っています。そうすると、嫉妬を感じるたびに怒りを感じます。そうすると腎臓の中に結石ができはじめます。そうすると肉体にまでも影響を与えてきます。その上、このように家族的な問題を起こしてきます。そうすると、この嫉妬のエゴに向かって、この裁く段階では「あなたは私の健康を害している」と言わなければなりません。そして「私の結婚を破壊に導いている」と言います。そして「家族の中で、私にばかばかしい行いをさせる」と言います。そのようないろいろなことを認めます。ですから、ここで「あなたは死刑です」と死刑を宣告します。しかし、この裁く段階は完全に理解した後にできるものです。ですから、まだ自分が理解もしていないエゴを根絶しようなどとは努めないで下さい。ですから、私はいつも怒りっぽいし、妬みっぽいから、もう行儀を良くしようなどというだけではだめです。それは時間の無駄です。すなわち、それぞれのエゴを完全に理解する必要があります。
 そうすると、ちょうど病気の正しい診察ができたときのように、そこから初めて治療ができます。そうして初めて根絶することができます。

(4)根絶
 このエゴのエネルギーは乾燥水銀であるとお話しましたけれども、これは性エネルギーが消耗されたものですから、大変力の強いものです。そうすると、この大変強い乾燥水銀の成分を排除できる唯一のエネルギーは同じ性エネルギーであり、それが昇華した性エネルギー、これが唯一のものです。ということは、より強いエネルギーはより弱いエネルギーを吸収するからです。この昇華された性エネルギー以外でこの乾燥水銀、エゴを絶滅する力をもつものはありません。
 私たち自身、生殖細胞によって生まれてきました。これが生命です。この生命以上に強いものはありません。ですから、この死を絶滅するために生命以上の力はありません。ですから、他の何千何万というシステムの種類のいろいろな方法に、これならエゴを絶滅できるというように騙されないで下さい。もう仏陀が「欲望を殺せ」と言ってから二千五百年経ちました。誰が欲望を殺すことができたのですか。世界中をよく見て下さい。社会を見て下さい。何人の人が騙され続けているのでしょうか。いくつの宗派が約束をしたでしょうか。そしていくつの宗教がどれだけ騙してきたでしょうか。お金をとってこれならばできるというシステムを売っている人があるでしょうか。そこで誰がどこでどのようにしてエゴイズムを排除できたというのでしょうか。皆さんは騙されないで下さい。
 ここでは科学的にラボラトリーの中で証明することも可能です。ホルモンが何であるか、そして水銀が何であるか。そしてホルモンの中のハイドロジンの成分、そしてこのハイドロジンの水素原子はヘリウムに変換されるからです。そしてこのヘリウムがいかにして黄金となるか。ですから他にエゴ根絶の方法はありません。科学的には。
 そして神秘的な角度からお話しますと、この性エネルギーは神聖なものであり、私たちの聖なる母によってコントロールされています。エゴが存在するように私たち一人一人の魂の母があります。それが仏教で表される観音の象徴するところです。エジプト文明で表されるイシスです。またキリスト教徒にとっては聖母マリアです。インドのクンダリーニにあたるものです。メキシコではグアダルーペの聖母です。そしてアステカ民族ではトナンツィンという名で呼ばれました。そしてこれらずべての中で、聖なる母は蛇によって象徴されます。形を持ち、イメージを持ち、命を持ちます。そしてこの母も私たちの中で生きています。エゴがマインドに住むと言いましたけれども、母は私たちの仙骨に住んでいます。ですから、性エネルギー昇華のときには、ある裁いたエゴを根絶するということを、この聖なる母に願わなければなりません。すなわち、この母を通して高次からの援助が届きます。そして私たち自身がしなければならないこの肉体を使っての性エネルギー昇華をすることによって完全な仕事ができます。皆さん方も解放されることを願います。そしてこの解放はこの現世だけの話ではありません。この解放は永遠に解放されることです。

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