『オセロ』に見られるエゴの頽廃のプロセス
 一つ興味深いオペラがあります。これは大変極端な嫉妬を表したものと考えられています。シェイクスピアの作品です。そしてオペラとして音楽をつけたのがベルディーです。この例を使ってエゴがどのように増殖し、そして頽廃していくかということを説明しましょう。

 オセロはムーア人の偉大なキャプテンでした。そうすると、彼にねたみをいだいている人がありました。その上、このオセロはデスデモーナという大変美しいお后をもっていました。そうすると、そのねたみをいだいている人は、大変偉大なキャプテンの上、美しい奥さんをもっているということに耐えきれませんでした。そうするとそこでもうねたみが生まれました。このねたみのエゴは大変醜いものです。多くの家族や社会で大変な害を及ぼしてきました。
 そうすると一つ一つのエゴはそれなりの一つずつインテレクトを持っています。それはエネルギーだからです。ですから一つ一つのエゴは自分で考えるということをします。そして私たちのマインドの中に住んでいますから、私たちのマインドを使って考えるということさえもします。
 ですから、多くの感性の鋭敏な人たちは、自分の中でいろいろな話し声さえも聞く人がいます。たとえばこれから眠るといううとうとした時にいろいろな話し声を聞いたりします。そんなことを感じたり聞いたことのある人はいませんか? そういうのは一般的にエゴの話し声です。ということは、私たちの中で彼ら全員が住んでいるからです。でも多くの人はそれが何であるか分からずに「ああ天使の話し声が聞こえる」などと思います。また他の人は「ETからの交信が入っている」と言います。これらは、それらを区別するための知識不足によるものです。
 そうすると、このねたみをいだいた人は、この敵をいかにして倒すかということを考え始めます。そうすると悪い作戦を考え始めます。彼は作戦を作ってオセロにお后に対する嫉妬心を呼び起こさせました。そしてお后の方が他の人と浮気をしているということを信じさせるに至りました。それによってオセロの中に嫉妬心が呼び起こされました。そうするとここでねたみとこの悪知恵が生まれてきました。そうするとオセロはそれを知ったときに騙されているとして大変怒り狂いました。そして嫉妬と怒りが交差するときにそれは暴力という結果を生みます。そうすると奥さんをなぎ倒しました。すなわち暴力に至りました。しかしそこでストップすることがありませんでしたから、さらにエゴは頽廃を続けます。そうすると、さらにはこの奥さんを殺すことに決めます。もう殺人の段階にまで至りました。そして殺してしまった後にこれは全く間違いで正しくなかったということに気づきます。そうするとそこで後悔しました。そうすると自分自身全く悲惨な、また殺人を犯してしまった自分を見ます。そうすると何が起こったでしょう。オセロは自殺してしまいます。もう一つ間違いを犯してしまいました。

 ご覧のように、エゴがどのように下降し頽廃していくかに注目して下さい。たとえば、あなたがチーズケーキを一つ食べるだけならまだいいでしょう。しかし一つでは満足せずに二つ食べたいと思ったときに、まず自分でそれを考えなければなりません。すなわち、そこで欲望の頽廃をストップさせていることになります。そのためにこそ自由が与えられているのです。そして意思も与えられています。そこでこそ私たちの自主的なその主体性を使わなければなりません。
 ですから、何か悪い作戦が始まったときには、その舞台に自分で飛び込んでいくのではなく、もう少し客観的に分析することから始めましょう。まずは事実を確認しなければなりません。なぜならば多くの人が嘘をつくからです。誰かがあなたを騙そうとしているときに、あなたはそれが本当に正しいのか、またはあなたを騙そうとしているのかを調べなければなりません。
 たとえば誰かが「あなたの妻がどこか他の男性と行った」といって騙すとします。そこで冷静さを保たなければなりません。そしてその状況を分析します。そして可能性を考えます。しかしながら、エゴが私たちをそれだけ冷静には保ってくれません。エゴは大変なスピードで反応するからです。彼が「あなたの妻が他の男と行った」ということを言ったその瞬間に嫉妬があなたを満たします。あなたはその瞬間に周りのものが何も見えなくなりました。そして何らかの報復をしたいと望みます。また憎悪が生まれます。またあなたは騙されたと思います。あなたの自尊心が傷つけられました。そうすると存在もしないことでそれだけの苦しみを味わいます。これは頽廃を促す私たちのメンタルな過程(プロセス)です。すなわち、人生の中の問題と自分を同一視してしまいます。一つの問題があると人々はその中に入ってしまいます。
 ここに一つの問題があるとします。しかし私たちは外側から客観的に観察していなければなりません。ということは、問題の外にいればどのような問題でも解決することができます。そのためにインテレクトが与えられています。そのために知性も与えられています。また顧問もいるでしょう。しかし多くの人は、外側から見ているのではなくて自分からその問題の中につかってしまいます。そうするともう何もできなくなります。この問題と一緒にぐるぐると回ってしまうからです。そうするとちょうど雪がころがり落ちてくるように、段々段々問題が大きくなっていきます。そうすると問題が私たちを破壊してしまうことになります。
 エゴが私たちにとってどれだけの強敵かよく注目して下さい。このような知識なくしてどうしてエゴが絶滅できましょうか。私たちよりもずっと悪知恵が働くのです。その上、たくさんいるのです。私たちのエゴを全部ここで書こうと思っても、多すぎてとても書ききることができません。

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