高次層に上昇したロセリーノの例 音楽で人々に貢献した歌手ロセリーノ ブラジルでロセリーノという歌手がいました。そして一生の間、幸せに奥さんと子供達と過ごしましたけれども、彼は小さいときから教会の合唱隊に入って歌を歌い、そしてプロの歌手になってからも、いつも人々によいバイブレーションを与えるような歌を歌い、決して破壊的なまたネガティブな官能的なものなどを歌うことはしませんでした。貧しい人々や、また機会を見つけてはチャリティーショーなどをして人々の役に立とうと努めていました。『上を向いて歩こう』のように人々の心をなぐさめるような、そういう歌ばかりを選んで歌っていました。演歌は歌いませんでした。 火を恐れていたロセリーノ ところで、彼はいつも火を恐れていました。ですから、火と自分は何らかの関係というか因縁があって深い繋がりがあるということを感じていました。彼の予感はやはり的中しました。一つのショーを終えて帰り道、車が衝突して炎上し、その炎の中で彼は亡くなりました。 死後、高次層に上昇したロセリーノ ロセリーノは死後、高次へと導かれました。それは、彼は今回の人生では多くの人一倍役立つ行為をし、そして借りのあるカルマを返してきたからです。ですから、事故の後、すぐに天使たちから助けの手を差し伸べられました。 しかしロセリーノは肉体が死んだ後も、まだ自分の体が燃えているような感じがして、目をあけられずにいました。そのときロセリーノのまわりには、白い衣を着た人が何人か集まっていました。そして、そのうちの一人がロセリーノの体のまわりを手で治療してくれたので、燃えている体が冷めていくような快い感じがしました。しばらくして、もう大丈夫だと思ったロセリーノは、おそるおそる目をあけてみました。そして尋ねました。 「ここはどこですか。私は自動車事故に遇って、全身火だるまになって死んだはずなのに」 「たしかにそうですけれども、それはもう終わりました」 白い衣を着た人の一人が答えました。 「じゃあ、私はもう死んでいるのですね」 そう自分で言った瞬間、ロセリーノはマインドがとてもクリアーになっていて、物事を明快に考えられるようになっていることに気付きました。今、自分に起こっていることを、はっきりと認識することができたのです。そして自分の周囲にいる人々が何者かも分かりました。 「皆さんは白ロッジのかたですね」 「そうです。あなたを援助するためにここにいるのです」 彼らは喜ばしげな表情で答えました。ロセリーノは言いました。 「私は以前、皆さまにお会いしたことがあるような気がします」 このような記憶のよみがえりは往々にして起こることです。私たちを押し込めていた肉体がないので、チャクラが活発に活動しはじめ、すべてを繊細に明快にキャッチするようになるからです。 火を恐れた理由 ロセリーノは、自分の転生について彼らと話し合い、前世に起こったいろいろなことについても話をききました。 「どうして私は、いつもあんなに火を恐れていたのでしょう。そしてついには、火に包まれて死ななければならなかったのでしょう」 「宗教裁判のあったころ、あなたがスペインで生きていた時代を思い出しなさい。その転生では、あなたはポルケマーダという名前の司祭でした。とても狂信的で、残虐で、多くの罪もない人々を火あぶりにしました。そのために、その後の何回もの転生で、あなたは火によって死ななければならなかったのです」 「エメラルドの館」に案内されたロセリーノ そのような説明が終わった後、ロセリーノを取り囲んでいた高次の存在は言いました。 「では、あなたがこれから暮らす館に案内しましょう。空高く飛びあがりますから、あなたの想念を自然と調和させてください」 そう言われて、彼はまた、そういうことは以前にたしかにしたことがある、と思い出しました。 そうして彼が案内されたところは、特に音楽家とか歌手とか、音楽に関係した霊が集まる館、「エメラルドの館」という大変美しい館でした。このエメラルドの館、音楽の館では、モーツァルトやベートーベンがそこでマスターであり、また門番をしてきた所です。この人類に役立った洗練されたそのような魂がいるところです。そしていまだに人々に援助を与えている多くの魂があります。 ロセリーノがそこに着いたとき、幼い頃に歌を教えてくれた神父さまが出迎えてくれました。 「ロセリーノ、歓迎しますよ」 そこでは美しい音楽が流れていました。彼がすでに知っている曲でしたが、肉体をもっているときとは比べものにならないほど美しく聞こえました。そのあまりの美しさに聞きほれていると、神父さまが言いました。 「これからあなたは、この館で正式に歓迎を受けるのです」 歓迎の席では美しいコーラスが歌われましたが、それはベートーベンの「第九交響曲」でした。エメラルドの館にやってくる魂を受け入れるときに歌われるのが、この曲です。そしてその歌が聞こえている間、美しい青い色と金色の光線があたりを包んでいました。 |
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